代表理事ごあいさつ
埼玉公共嘱託登記土地家屋調査士協会は、官公署等が行う公共事業に伴う用地取得において、適正な不動産登記を確保し、国民の大切な財産である不動産の権利関係を安定させることを目的として、埼玉県内の土地家屋調査士が結集し設立された公益社団法人です。発足以来、官公署からのご依頼を受け、専門的な知見に基づく筆界の明確化と、迅速かつ正確な嘱託登記事務の処理を使命として活動してまいりました。
公益社団法人としての当協会は、不動産登記法に基づく表示登記の専門家集団として、公共事業に伴う境界確定・測量、嘱託登記の適正処理、地図作成・地籍整備への協力などを通じて、地域社会の安心・安全と公共の福祉の向上に寄与する法的に明確な役割を担っております。今後も「中立・公正」の立場を堅持しつつ、業務の質の向上と人材育成に努めてまいります。
現在、日本社会は人口減少・高齢化、インフラの老朽化、所有者不明土地問題など、かつてない課題に直面しています。これらに対応するための公共事業、都市再生、災害復旧、地域インフラ整備は、今後も継続的に推進されることが見込まれます。これらの事業を円滑に進めるためには、正確な境界の確定と確実な登記手続が不可欠であり、当協会に課せられた責任は一層重みを増していると認識しております。
私たち土地家屋調査士の本来的な使命である「地図作成」については、不動産登記法第14条に基づく地図作成事業の一層の推進が求められています。当協会は、現地復元性のある高精度な地図を早期に整備することが、国民の権利保護と円滑な土地取引の基盤となると考え、関係機関と連携しながら、その実現に向けて不断の努力を重ねてまいります。
また、国土の開発及び保全並びにその利用の高度化に資するとともに、地籍の明確化を図ることを目的として実施されてきた国土調査に対しても、当協会は力を尽くしてまいります。一筆地の特定に代表されるような、地籍調査の進捗を阻害する要因に対して、日頃の表示登記業務で培った「土地の境界」に関する法的解釈や、所有者間の合意形成に関するノウハウを活かし、市町村の実施計画に基づく受託機関として、実務面からの支援を行うことが可能です。
これまで賜りました関係官公署等の皆様のご指導とご支援に心より感謝申し上げますとともに、今後も公益法人としての矜持を忘れず、嘱託登記事務・公共事業支援・地籍整備のいずれにおいても、「迅速」「正確」「中立公正」な業務運営を徹底し、地域社会の発展に貢献していく所存です。従来の嘱託登記業務に加え、地籍調査等におきましても、引き続き当協会をご活用いただきますようお願い申し上げます。
公益社団法人埼玉公共嘱託登記土地家屋調査士協会
代表理事 加 藤 実